本文へスキップ

平成26年度事業報告

TEL. 03-3537-3056

〒104-0032 東京都中央区八丁堀2-5-1東京建設会館

協会案内協会案内

平成30年度事業報告

自 平成30年4月1日至 平成31年3月31日

はじめに

当協会の設立目的である道路建設技術の向上、研究開発及び道路建設業の健全な発展を図りもって道路整備の推進に協力し、公共の福祉の増進に寄与するために、会員企業が一体となって平成30年度も様々な活動を展開したところである。

平成30年度の道路関係当初予算については、国費で1兆6,677億円が計上された。また、社会資本整備総合交付金や防災・安全交付金等も計上され、地方の要望に応じて道路整備に充てることができるとされた。

我が国社会経済は、企業収益が過去最高を記録する中で設備投資が増加するとともに、雇用・所得環境の改善により個人消費の持ち直しが続くなど、経済の好循環が着実に回りつつある中、政府は一連の自然災害の被災地の復旧・復興を全力で進めるため、平成30年度1次補正予算を着実に実施、あわせて、防災・減災、国土強靱化のための3カ年緊急対策に速やかに着手するなど、追加的な財政需要に適切に対処するため2次補正予算を閣議決定し、平成31年2月7日に成立させた。

そのような中、協会の事業活動については、「i-Constructionの導入促進」、「働き方改革の推進」及び「道路建設業のイメージアップ」を中心に実施したところである。

「i-Constructionの導入促進」については、i-Pavement推進本部の活動として、会員企業のICT舗装工事の円滑な施工を促すため、i-Construction技術講習会を実施するとともに、ICT舗装に関する現場見学会の開催などを実施した。

「働き方改革の推進」については、平成29年11月16日に策定した「働き方改革に向けた基本方針」に係る各社の取組状況に関するフォローアップのため、対応状況について調査等を実施するとともに、効果事例等について周知を行った。

 「道路建設業のイメージアップ」については、道路建設業界は、入職者の確保が難しいうえに離職者の増加などもあり、将来の担い手不足が危惧される中で、「担い手確保」が依然として大きな課題となっており、担い手確保を目指した戦略的広報動画の制作に取り組んだ。

 また、入管法改正に伴う当面の対応について検討し、関係機関と調整を行うなど、外国人労働者の受け入れ手続きの検討を始めたところであり、この他、総括事項以下に記載の様々な事業活動を展開した。

 最後に、当業界は、道路建設という極めて公共性の高い事業を行っていることから、「独占禁止法関係」、「労働基準法関係」、「暴力団排除関係」の3テーマにより、本部及び各支部においてコンプライアンス講習会を実施し、500名の参加を得てコンプライアンスの徹底に努めたところである。


第1 総 括 事 項

1.定時社員総会
 第70回定時社員総会を平成30年5月22日(火)に、千代田区内の「グランドアーク半蔵門」に
おいて開催し、会員総数170社のうち出席者数は153社(委任状含む。)であった。
定時総会は議事録署名人2名を指名した後、議事審議に移り、平成29年度事業報告(案)、
平成29年度決算(案)及び理事の選任に関する件について審議し、承認された。
また、平成30年事業計画、平成30年度予算、平成29年度公益目的支出計画実施報告に
ついて報告した。

2.理事会・常任理事会
 ○ 理 事 会
・平成30年度においては理事会を5回開催した。
  

○ 常任理事会
・平成30年度においては常任理事会を7回開催した。

3.委員会活動

 1)i-Pavement推進本部 (本部長 西田会長)
   ・国土交通省と情報化施工に関する意見交換会を実施した。
   ・全国の10地区でi-Construction技術講習会を11回開催した。
   ・ICT舗装工事現場の見学会を九州、東北、中部、北海道の4カ所で開催した。
   ・舗装工以外の排水工、防護柵工、路面標示工などの生産性向上について検討した。


 2)企画委員会(委員長 岩田 裕美 (株)NIPPO 代表取締役会長)
    常任理事会に付す案件を中心として、予算及び決算、事業計画、
            事業報告、規程等の改定、協会表彰関係、社会貢献活動、
           平成31年度税制改正要望等について審議・検討した。

 3)技術委員会(委員長 今枝 良三 前田道路(株) 代表取締役社長)
         ・床版防水工の施工検討会で、NEXCO総研とNEXCO舗装工事における床版防水に関して意見交換を実施
   ・国土交通省道路局と情報化施工を舗装に全面導入するICT舗装における諸課題等について意見交換会の実施。
   ・NEXCO総研と床板防水工の今後の方向性について意見交換。
   ・各地で実施した研修において、2カ所に講師を派遣。
   ・コンクリート舗装の実績と課題を調査。
   ・過去10年間のコンクリート舗装の実績などについて専門誌に情報提供した。
   ・ISAP APE(東京)において、技術論文の発表と協会作成の舗装技術資料(英訳版)を来場者に配布。
   ・懸賞論文の募集と審査を実施。
   ・国土交通省道路局、国総研、土研等と遮熱性舗装の改良について検討した。
   ・オーストラリアアスファルト協会(AAPA)の調査団を迎え入れ、日本のアスファルト
    処理研究施設などを視察し、意見交換を行った。
        ・アトランタ(アメリカ)で開催された第9回GAPAで、舗装技術に関するセッションに
    参加するとともに、研究事例の発表と意見交換を行った。

 4)公共工事委員会(委員長 久松 博三 日本道路(株) 代表取締役社長)
   ・公共工事発注機関との意見交換会の議題整理
   ・国土交通省の各地方整備局、北海道開発局、内閣府沖縄総合事務局、NEXCO各社との
           意見交換会に向けた公共工事の執行に関する課題等のとりまとめを行った。
 
   5)国際委員会(委員長 山本 健司 (株)ガイアート 代表取締役社長)
   ・日越高速道路セミナーが発足し、協会から部会長及びセミナーの下部組織である
            国内支援委員会にWGメンバーを派遣した。
   ・国土交通省が主催した石井国土交通大臣、アジア・大洋州諸国駐在日本大使との
            懇談会に西田会長が参加した。
   ・PIARC総会が横浜で10月に開催され西田会長が参加した。

 6)環境・安全委員会(委員長 佐藤 俊昭 世紀東急工業(株) 代表取締役社長)
   ・平成30年の安全標語を会員各社より募り、1,557編の応募作品から最優秀作1編と
           佳作10編を決定した。
         ・平成29年1月1日から平成29年12月31日までの工事を対象に労働災害調査を実施し、
            結果を取りまとめ、労働災害防止のための教育資料等に資するため冊子にして配布。
   ・関東地方整備局が行った「実践研修 基礎技術(舗装)」研修に講師を派遣し、道路の舗装技術について
            講義を行った。

 7)広報・労働委員会(委員長 森下 協一 東亜道路工業(株) 代表取締役社長)
   ・平成29年に策定した「働き方改革に向けた基本方針」に係る各社の取組状況に関する
            フォローアップのため、対応状況について調査等を実施し、状況の把握を行うとともに、
            会員各社の取組についてのアンケートから効果事例等について周知を行った。
   ・建設業のイメージ刷新を目的に戦略的広報動画の制作に取り組んだ。
         
 8)道路整備推進特別委員会(委員長 河江 芳久 福田道路(株) 代表取締役社長)
   ・「道路整備に関する要望」について、自民党、公明党に要望活動を行った。

  9)道路建設編集小委員会(委員長 矢野 善章 日本道路(株) 顧問)
   ・当協会の機関誌「道路建設」は、各界からの特別寄稿をはじめ時局に応じた一連の論説、
            座談会特集 (建設業に対する要望事項、道路整備に関する重点課題等) 、海外情報などを適宜掲載した。
           一回当たり5,000部を発行し、各方面に配布した。

10)CSR推進委員会 (委員長 茅野 牧夫 協会 専務理事)
       ・会員各社の法令遵守に関する意識の向上を目的として、平成29年度から実施した
        「コンプライアンス講習会」を 平成30年度も本部及び全支部で実施した。
         会員各社から500名の参加を得て、関係法令遵守について周知徹底を 図った。
  ・講習会は、「独占禁止法関係」・「労働基準法関係」・「暴力団等排除関係」の3テーマについて、
         ローテーションにより各支部で毎年1テーマを実施した。

4.叙勲、表彰
 1)叙勲
 ・平成30年春の叙勲において次の各氏が勲章を授与された。
   瑞宝単光章  古沼 克雄 (元:日本道路(株))
   瑞宝単光章  田村 昭文 (現:福田道路(株))
   瑞宝単光章  福良  守 (現:大林道路(株))
   瑞宝単光章  西村 哲夫 (元:(株)NIPPO)
 
 ・平成30年秋の叙勲において次の各氏が勲章を授与された。
   瑞宝単光章  荻野 敏昭 (元:中部土木(株))
   瑞宝単光章  比嘉  均 (元:世紀東急工業(株))
   瑞宝単光章  粟野 幸泰 (元:TSUCHIYA(株))
   

2)協会表彰
  協会表彰は第70回定時社員総会に先立って行い、協会表彰規程に基づく協会功労者表彰として、
  役員表彰は 千平田 勝巳 氏( 地崎道路 )・ 民部 順一氏( 潟Kイアート )の両氏、委員会委員表彰は45名、
  優秀社員表彰は18名に対し表彰状および記念品の授与を行った。
  さらに、技能社員表彰者74名を発表し、後日各支部総会において表彰された。

3)安全標語入選作品表彰
  安全標語入選作品表彰は第70回定時総会に先立って行い、最優秀作・1編、佳作・10編の計11編を
  表彰し表彰状及び副賞の授与を行った。
  最優秀作の作品は次のとおりである。
  最優秀作・「慣れた作業も再確認 手順を守って無災害」
          東亜道路工業(株)    行徳 瑞乃 


5.各種協賛事業
 @ 道路に関する啓発及び宣伝活動として、土木の日、交通安全フェア、まちづくり月間等の諸活動に協賛した。
 A 道路関係諸団体との協力を図るため、(公社)日本道路協会、全国道路利用者会議、
   (一社)日本交通政策研究会等に賛助を行った。
 B 道路環境対策関係として、建設副産物リサイクル広報推進会議に賛助を行った。
 C 道路建設産業に関する人材確保・育成推進活動、建退協加入促進運動、構造改善推進月間等に協賛した。
 D 建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会の行う社会保険未加入対策に関する諸活動に協賛した。
 E 建設業関係11団体主催による「新春賀詞交歓会」を平成31年1月7日 (月) に東京プリンスホテルに
   おいて開催した。

6.会員の動向
 平成28年度末会員数   167 社
    入   会        4 社
    退   会        2 社
  平成29年度末会員数   169 社

 
第2. 道路整備の推進
1.予算等要望活動
   当協会では、今後発生が懸念される大規模災害への対応や、国際競争力強化のためのインフラ整備、
         高齢化・老朽化に伴う維持管理・大規模改修・更新の着実な推進が重要と認識している。
        我が国は、社会インフラの高齢化・老朽化に伴う大改修時代を迎えており、今後の道路整備における
        維持管理・更新等を確実に推進していくためにも、予算の増額及び長期安定的に確保されることが
        必要不可欠であることから、協会を取り巻く環境が厳しい状況を踏まえつつ、以下の要望活動を展開した。

(1) 平成30年11月6日(火)  公明党「公明党政策懇談会」 
・「平成31年度 道路整備に関する要望」
    道路関係予算の増額及び長期安定的な確保、国土を強靱化するための着実な道路ネットワークの整備、
    傷んでいる道路舗装の早急な補修、道路舗装工事における働き方改革の推進について要望。
・「平成31年度税制改正要望」
  法人税、法人住民税・法人事業税、固定資産税、消費税、印紙税、所得税に関する改正要望を行った。
(2) 平成30年11月8日(木)  自由民主党「予算・税制等に関する政策懇談会」  
・「平成31年度 道路整備に関する要望」
     道路関係予算の増額及び長期安定的な確保、国土を強靱化するための着実な道路ネットワークの整備、
     傷んでいる道路舗装の早急な補修、道路舗装工事における働き方改革の推進について要望。
・「平成31年度税制改正要望」
  法人税、法人住民税・法人事業税、固定資産税、消費税、印紙税、所得税に関する改正要望を行った。
   (3) 上記(1)及び(2)の要望については、それぞれ国土交通省幹部への要望活動を実施した。

2.平成31年度道路整備に関する要望
   平成31年度の道路整備に関する要望については、公共工事制度研究部会において検討の上取り纏め、
   要望活動を行った。
  「要望事項」
    @ 道路予算の増額及び長期安定的な確保
    ・平成31年度予算の道路関係当初予算の大幅な増額
    ・道路関係予算の長期安定的な確保
    ・平成30年度の大規模な補正予算の編成
    A 国土を強靭化するための着実な道路ネットワークの整備
    B 傷んでいる道路舗装の早急な補修
     ・道路舗装の維持・修繕費の増額
     ・舗装診断士の活用
    C 道路舗装工事における働き方改革の推進
  
3.平成30年度税制改正に関する要望
   平成30年度の税制改正に向け、経営研究部会において会員からの税制改正要望事項を取り纏め、
         要望事項を 理事会等に諮り活動を行った。
   「要望事項」
   @ 法人税に関する要望
              ・固定資産税の減損処理による損失の損金算入について等
         A 法人住民税・法人事業税に関する要望
             ・事業税の外形標準課税制度の簡素化について
         B 固定資産税に関する要望
            ・償却資産に係る固定資産税の廃止について等
        C 消費税に関する要望
           ・消費税に関する事務処理の簡素化等について
       D 印紙税に関する要望
          ・請負契約書等に係る印紙税の廃止について
       E 所得税に関する要望
          ・単身赴任者の帰宅旅費の非課税扱について

4.公共工事発注機関との意見交換会の実施 
   公共工事に係る各発注機関の入札・契約システムや新たな制度の情報収集に努め、それらに関する
         諸課題を整理し、各発注機関との意見交換のための議題を作成した。
       作成した議題をもって、国土交通省道路局、国土交通省地方整備局、内閣府沖縄総合事務局及び
         NEXCO各社、一部の地方自治体と、道路整備や道路工事に係る諸課題について意見交換を行った。

5.道路整備の推進に関する広報活動 
   道路整備の推進に関する広報活動として、雑誌「道路」(公社)日本道路協会発行、「道全協だより」
        道路整備促進期成同盟会全国協議会発行、その他専門新聞紙や道路関係友誼団体に協力して、広告掲載を
        行う等、多彩な広報活動を展開した。

第3. 道路技術の向上

1.i-Pavement推進本部の活動
    ・ 会員企業のICT舗装工事の円滑な施工を促すため、全国の10地区で技術講習会を11回開催し、
       ICT舗装現場見学会を4回実施した。また、ICT舗装の出来形基準に関する技術的課題などについて
       国土交通省と意見交換会を実施した。さらに、舗装工以外の排水溝、防護柵工、路面標示工などの
       生産性向上についても検討した。

 2.技術及び施工管理に関する技術の向上
   ・ 関東管内での舗装技術に関する講演に講師を派遣し、舗装技術の普及に貢献した。
   ・ 道路技術シンポジウムの開催
 ・懸賞論文の募集
   技術開発や創意・工夫により、舗装技術の向上と振興を図るための「舗装技術」についての論文を募集した。
 ・DVD「みんなの道」の配付
   多くの人に舗装についての理解を深めるとともに、有用な技術者の育成を目指して作成した「みんなの道」を
         広く配布した。
 ・DVD「試験法」の配付
   有用な舗装技術者の育成を目的として作成した「舗装の調査と試験方法」(2部構成)に関するDVDを
          会員会社等に配布した。
 ・工務ハンドブックの頒布
   道路工事の適正な施工のために、現場業務に必要な最新の技術基準と法令を平易に解説した「道路工事現場・
        工務ハンドブック」を頒布した。
 ・ICT 導入協議会等への参加
    国交省の進めるi-Constructionの一環として、ICT導入協議会や基準WGに参加し、測量及び出来形に関わる
        三次元データの利用において、舗装に適用した場合の課題や問題点等について検討した。
 ・国土交通省と遮熱性舗装の改良
   2020年東京五輪に向けた「アスリート・観客にやさしい道の検討会」の提言を受けて、国土交通省の
       環境安全課、国道・防災課、国総研、土研と共に遮熱性舗装の「まぶしさ」の解消に係る改良を行った。
 ・NEXCO総研との意見交換会
   NEXCO総研から、@床板防水工の今後の方向性、A長寿命舗装に関する取組の発表があり、それらに対して
       意見交換を行った。
  
3. 海外との交流・情報収集活動
 ・日越高速道路セミナーが発足し、協会から部会長とセミナーの下部組織である国内支援委員会にWGメンバーを
    派遣した。
 ・国建協が受託した「開発途上国における舗装施工監理のあり方に関する調査」業務に関する国内支援委員会が
    開催され、道建協から委員として参加した。
 ・アトランタ(アメリカ)で第9回GAPAが開催され、舗装技術に関するセッションに参加するとともに日本の研究
    事例の発表と意見交換を行った。
 ・国土交通省が主催した石井国土交通大臣、アジア・大洋州諸国駐在日本大使との懇談会に西田会長が参加した。
 ・PIARC総会が横浜で10月に開催され西田会長が参加した。
 ・マルコアイランド(アメリカ)で開催されたNAPA総会に西田会長が出席し、建設業に関連する各セッションで
    対外的な情報交流を深めた。

4.舗装技術に関する懸賞論文
    舗装技術の向上と振興を図るため「舗装技術」に関する17編の論文を審査した。
   
5. 環境保全への対応
・建設八団体副産物対策協議会の活動に積極的に参画し、支援を行った。
・建設副産物リサイクル広報推進会議の活動に積極的に参画し、支援を行った。
6. 道路技術研修
・道路工事に従事する技術者の養成を図り、その専門的知識を高めるため、(一財)全国建設研修センターとの共催による「第46回道路技術専門研修」を実施した。


第4. 道路建設業の健全な発展

1.CSR(企業の社会的責任)
  平成29年度に引き続き、「独禁法関係」・「労基法関係」・「暴排関係」に関するコンプライアンス講習会を
      、本部及び各支部で実施した。
      30年度の講習会には、会員各社から500名の参加があった。

2.社会貢献活動
  平成19年4月に策定した「社会・環境貢献活動指針」に基づき、道路利用者の安全・安心の一助として、
      平成20年度から「道の駅」にAED(自動体外式除細動器)を寄贈する活動を実施し、平成24年度から
      道の駅の防災化計画の支援として、近畿、四国、九州の道の駅に発動発電機を寄贈してきた。平成30年度
      からは寄贈品を発動発電機に統一して全国で実施することとし、34台を寄贈し累計台数は142台となった。

3. 会員各社への支援情報等の発信
   ・道建協通信の発行
    平成29年4月から、会員企業の業務に活用できる有用と思慮される情報等について、原則としてメールに
    より随時「道建協通信」を発信し、本年度は30号を発行した。
    主な情報としては、国土交通省との意見交換会や、道路関係予算の概要及び本部の講習会開催等の活動
    情報などを迅速に伝えた。
  ・情報提供等
    国土交通省等関係行政機関からの、道路建設業に関連する法令等の改正の通知や新たな制度制定等の
    情報発信等、幅広く会員企業に向けて発信した。
  ・ 労働災害等対策
    労働災害や公衆災害防止に向けた冊子や安全シール等の作成を行い、会員に頒布や販売をするなど
    安全対策啓発活動等への取り組みを行った。

4.団体活動への協力等
  ・公共工事品質確保に関する議員連盟への協力
   公共工事品質確保法改正に向けた自民党の取組に対して、会議への対応など積極的に協力を行った。


第5. 道路建設業における人材確保等

1. 人材の確保
   ・ 平成29年11月16日に策定した「働き方改革に向けた基本方針」に係る各社の取組状況に関する
      フォローアップのため、対応状況について調査等を実施するとともに、効果事例等について周知を行った。
  ・ 担い手確保を目指した戦略的広報動画の制作及び広報活動に取り組んだ。

2.社会保険未加入対策
  ・社会保険未加入対策については、国土交通省の「建設業社会保険推進・処遇改善連絡協議会」に参画し
     協議会の会議等に参加した。
  ・平成29年10月に会員の工事現場における労務単価等の実態調査と併せて、社会保険加入状況調査を実施した。


第6. 舗装技術者資格試験制度

  1.舗装技術者資格試験制度概要
       本制度は、我が国で唯一の舗装技術に係わる資格試験で、「1級・2級舗装施工管理技術者」
      と「舗装診断士」の2つ試験を行っている。
      @「舗装診断士」は、舗装の診断に関する一連の作業ができる高い専門知識を保有する技術者を認定し、
          舗装の効率的な管理・更新に寄与することを目的に当協会が創設し、平成29年度に第1回の資格試験を
          実施し、今年度で第2回目である。
   舗装の診断とは、既設舗装の調査・評価及び維持修繕工法の選定・設計、補修計画策定の支援であり、
     必要に応じてネットワークレベルでの補修計画策定支援も行えるものとして位置付けている。
    A「舗装施工管理技術者」は、舗装工事に携わる技術者の技術水準及び能力を適正に評価することによって、
        舗装工事の品質確保を図ることを目的として平成7年から試験を実施している。これまでに、1級・2級
        併せて約7.1万人が合格後、登録しており、これら多くの専門技術者が全国各地の舗装工事に携わり、
        舗装工事の技術水準と品質向上に大きく貢献している。

2.平成30年度「舗装技術者資格試験」実施結果
      舗装診断士、1・2級舗装施工管理技術者試験とも、平成30年度の試験は、6月24日(日)に
      全国10地区(12会場)で実施した。
      @ 舗装診断士 資格試験
     受験者数2,653名 、合格者数347名(合格率13.1%)
     択一試験のみの合格者は447名であった。
     A 1級舗装施工管理技術者 資格試験
     受験者数3,489名、合格者数706名(合格率20.2%)
              一般試験のみの合格者は760名であった。
     B 2級舗装施工管理技術者 資格試験
     受験者数1,507名、合格者数535名(合格率35.5%)
       一般試験のみの合格者は67名であった。
     参考:舗装技術者資格試験全体の受験者数7,649名、合格者数1,588名(合格率20.8%)

3.平成30年度「舗装施工管理技術者 技術講習」の開催状況
      本技術講習は、舗装工事に関する最新の技術や知識の習得を目的として開催している。
      平成30年度の技術講習は、全国11地区(札幌、盛岡、仙台、新潟、大宮、東京、名古屋、
      大阪、広島、福岡、那覇)で8月下旬から9月下旬にかけて12日間開催した。
      受講者数は1,324名であった。

4.本制度の活用状況
     @ 「舗装診断士」資格については、平成30年2月27日に国土交通省の「公共工事に関する調査及び
          設計等の品質確保に資する技術者資格登録規程」に基づき「国土交通省登録資格」として登録された。
        国土交通省では、国及び地方公共団体の発注業務時の総合評価落札方式において加点評価するなど、
         積極的に活用していく予定とされている。
         資格名称 施設分野 対象業務 登録年月日・登録番号
        舗装診断士 舗 装 点 検 平成30年2月27日    品確技資第232号
        舗装診断士 舗 装 診 断 平成30年2月27日    品確技資第36号
 A 「1級・2級舗装施工管理技術者」資格については、国土交通省各地方整備局等では総合評価落札方式に
         おける配置予定技術者等の能力評価の加点項目として活用されている。また、工事規模や難易度の高い
         舗装工事において、配置技術者の本資格保有が入札参加要件となっている場合もある。
         なお、国のほか都道府県、政令指定都市等の地方公共団体での活用も広がりつつある。

 5.平成31年度 舗装技術者資格試験の申込状況について
   @ 舗 装 診 断 士    2,388名 
         A  1級舗装施工管理技術者  4,525名 
         B  2級舗装施工管理技術者  1,945名 


第7. アスファルト混合物事前審査制度

  1.アスファルト混合物事前審査制度概要
        本制度は、アスファルト混合物の品質管理に関する合理化や品質の安定化を図る目的で平成6年度に
        創設された制度であり、現在では、北海道、四国を除く各地区で実施され、36都府県、15政令市
        及び市町村等で活用されている。
        このうち、審査機関(調査機関)として指定を受けた7地方整備局における制度運営に関する事業を
        実施し、平成30年度では全体で22回の混合物審査委員会開催し、456混合所から申請のあった
        7,110混合物を認定した。

 2.業務効率化に向けたシステム化の推進
  アスファルト混合物の事前審査の申請から審査・認定書の発行に至るまでの一連の業務の効率化等を目指し、
      平成26年度から業務のシステム化を進めている。平成30年度は、関東・関西・中国地区で既存システムの
      機能向上と改善を行った。


第8.道 路 試 験 所

1. 道路試験所WG活動
        道路試験所WGの活動は、道路試験所予算執行及び月次収支のモニタリングや調査・試験業務拡販に
        資する助言ならびに支援を行った。

2. 道路試験所事業概要
        道路試験所は、総務課・試験課・技術課の三課体制により業務の効率化を図りつつ、試験、調査業務等を
        協会会員及び一般会社から依頼を受け実施した。
    試験業務のうち、「アスファルト混合物事前審査」確認試験は、関東地区、近畿地区、東北地区及び
        沖縄地区の各プラントから受託して実施した。
        調査関係では、事前審査確認試験を実施している試験機関の精度確認のための共通試験を全国21機関で
        実施した。
       また、路面騒音測定・遮熱性舗装調査等を実施した。

(1) 試験業務および調査・研究業務に係わる件数・受託金額は下表のとおりである。
       
試験業務
業 務 種 別              件 数 (件)        金 額(円)      同左構成比
土質試験                          213           34,451            19.3%
骨材・コンクリート試験     146           10,475            5.9%
アスファルト試験              554         133,250             74.8%
                計                   913         178,176            (68.9%) 100%
調査・研究業務                 101           80,430            (31.1%)
合 計 会 員                   425   158,297             61.2%
          非会員                   589         100,309             38.8%
        計                        1,014       258,606             (100%) 100%
( )は試験業務と調査・研究業務の構成比

調査・研究業務の内訳
・遮熱工事の室内試験及び現場立会業務 (29件)        30,024千円
・騒音測定 (12件)                         12,776 〃
・遮熱性舗装の性能確認試験 (9件)                9,222 〃
・事前審査制度の指定期間における共通試験補助業務(1件)        6,590 〃
・上記以外の調査・研究業務 (40件)               21,818 〃
           計 91件                 80,430 〃
(2) 試験器具等の整備
    ・検査・試験の精度の向上と品質確保するため、ホイールトラッキング試験機、ドラフトチャンバー、
       電子天秤 を更新した。

(3) 研修・見学等
 ・i-Pavement技術講習会を2回実施した。  
   ・企業等から研修、講習会、施設見学について積極的に受け入れた。


第9.支 部 活 動

1.支部活動
      当協会の支部組織は、10支部体制で全国活動を行っている。   
      主な事業活動として、道路に関する啓発及び宣伝、道路技術の向上及び振興、道路工事に於ける安全対策や
      安全パトロールの実施、道路工事の適正な施工の確保等を実施するために、講演会、講習会、各団体との
      意見交換会の開催を始め、積算方式、環境対策、工事の生産性の向上等に関する諸対策の事業活動を推進して
      いる。
     また、舗装施工管理技術者資格試験及び講習の実施、アスファルト混合物事前審査制度の運用等を実施している。

2.災害対応
    ・平成30年7月豪雨による災害の発生に伴い、中国、四国、九州各支部に災害対策本部を設置し、建設機械、
       資機材の調達や労働力の提供に積極的に努めた。
  ・平成30年北海道胆振東部地震による発災に伴い、北海道支部に災害対策本部を設置し、建設機械、資機材の
       調達や労働力の提供に積極的に努めた。

2.支部別会員構成(平成31年3月31日現在)

北海道 支 部(所在地 札 幌)   会員数  32 社
東 北  〃 ( 〃  仙 台)    〃   28 社
関 東  〃 ( 〃  東 京)    〃   46 社
北 陸  〃 ( 〃  新 潟)    〃   32 社
中 部  〃 ( 〃  名古屋)    〃   36 社
関 西  〃 ( 〃  大 阪)    〃   42 社
中 国  〃 ( 〃  広 島)    〃   23 社
四 国  〃 ( 〃  高 松)    〃   13 社
九 州  〃 ( 〃  福 岡)    〃   28 社
沖 縄  〃 ( 〃  那 覇)    〃   36 社
計     10支部             316 社


(一社)日本道路建設業協会

〒104-0032
東京都中央区八丁堀2-5-1東京建設会館3階

TEL 03-3537-3056
FAX 03-3537-3058